日本で初めて”避妊ゼリー付きコンドーム”として発売された『エポカ』。
避妊ゼリーには有効成分として「メンフェゴール」という殺精子剤が含まれています。
現在では、販売が終了した『エポカ』に代わり、2012年3月に発売された『ラブドームガールズガード』にもメンフェゴールが配合されています。
「殺精子剤」には錠剤、ゼリー状、フィルム状などいくつかの種類がありますが、いずれも膣内に挿入して使うものです。殺精子剤は、体外に放出された精子に作用するので、人体に対する影響は少なく、膣やペニスに触れても、特異体質の方ではない限り、問題がないことを確認しています。
避妊ゼリーのメカニズム
精液溜まりの内側(男性側)に塗布した避妊ゼリーが性交時の体温で溶け、放出された精液と混じり合い、精子の受精機能を喪失させます。コンドーム本来の膜による遮蔽効果に加えて、メンフェゴールによる射精された精子に対する殺精子効果により、妊娠の可能性が低減します。
メンフェゴールはどこに作用するのか?
メンフェゴールは、精子の先体という部分に作用して、精子の受精機能を喪失させます。放出された精子にだけ作用するので、人体には影響はありません。

- 写真左側 A:通常の精子
- 写真右側 B:メンフェゴールに触れた精子
メンフェゴールの効果
ある研究によると、メンフェゴール塗布コンドーム内に放出された精子は、運動率、生存率が共に0%であったことが報告されています。(日本不妊学会誌 第34巻 第4号 914-918)
n=4 | メンフェゴールあり | メンフェゴールなし |
---|---|---|
精子量(mL) | 2.95±1.02 | 2.60±0.91 |
精子数(×106/mL) | 59.0×16.1 | 67.9±31.0 |
運動率(%) | 0 | 0(※) |
生存率(%) | 0 | 78.5±20.8 |
※生理食塩水で希釈すると運動性が回復した。
精子の動きを止めて死滅させる。これがメンフェゴールの効果です。
少子化やセックスレスの影響で人口妊娠中絶数は減少しているとは言え、平成23年度における日本国内の人工妊娠中絶数は20万人以上に上ることが報告されています。(厚労省衛生行政報告例)
女性にとって望まない妊娠をすることは肉体的のみならず、精神的にも多くのダメージを負うことになります。
より確実な避妊をしたいというのは多くの女性の願いであることからも、『避妊ゼリー』付きの製品を選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか?
出産後1回目の排卵日は事前に生理がないため、いつ頃来るのか分かりません。助産師会では、もともと出産後の性交については、より確実に避妊ができるように殺精子剤とコンドームの併用を推奨しています。