全世界で瞬く間に感染が広がり、日本でもニュースで取り上げられている「ジカ熱」(ジカウイルス感染症)。
この感染症の怖いところは、妊婦が感染すると、新生児の脳の発育が不十分になる「小頭症」につながる疑いが強いこと。そのため世界保健機関(WHO)は、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」を宣言。世界的に大きな騒動となっています。
そしてWHOが、感染地域に住む人や旅行した人に向けて、「性行為の際にコンドームを使用すること」を推奨しているのをご存知でしょうか?
厚生労働省のホームページによると、ジカ熱は基本的に「ウイルスを持った蚊がヒトを吸血することで感染する」とのこと。稀なケースとして、「輸血や性行為による感染」も指摘されているそうです。そのため、特に流行地域から帰国した男性で、妊娠中のパートナーがいる場合は、コンドームの使用が推奨されているのです。
HIV感染の予防にコンドームが有効……ということは、多くの人がご存知でしょう。ただコンドームは、そのほかの性感染症の予防にも役立つもの。梅毒、淋病、クラミジアといった広く知られた性感染症のほか、肝炎ウイルスの感染予防にも有効とされています。

また、これらの感染症には症状が現れるまでの「潜伏期間」があり、中には発症しても自覚症状がないものもあります。そのため、「自分は症状が出ていないから大丈夫」と思っていても、コンドームなしの性交渉で、パートナーに病気を移してしまう危険性もあるのです。
「ジカ熱は自分には関係ない」と思っている人もいるでしょうが、性交渉においてコンドームを使用するのは、やはり大切なこと。WHOが2月18日にジカ熱の感染拡大に対して発表した声明には、「ジカウイルスに関わらず、WHOは、他の性感染症を予防し、望まない妊娠を避けるために、より安全な性行動(正しいコンドーム使用を含む)を推奨する」という一文もあります。みなさんもこれを機会に、「パートナーや自分を守るためのコンドームの使用」について、あらためて考えてみてください!
参考:ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109899.html